「ん……キアぁ……。」
イェンスはそっと寝返りをうつ。
そして布団をよじりながら
幸せそうに寝息をたてるありふれた日常。

深夜。
だがそれは突然やってきた。














戸締りは忘れずに













「なぁ、兄ちゃん……眠れねーんだけど。部屋、入れて?」
「イェンス兄ちゃん?」

だがまさに今、夢の中のイェンスにはそんな言葉が届くはずもなく
「ん、う……ん。」
顔をしかめてまた寝返りをうつ。

「に、兄ちゃん!勝手に入っちまうからな……って、あ!」
そっと弟たちが扉を開けると完全に眠りに落ちている兄ちゃんの姿があった。
それだけなら何驚くこともないのだが。
「イェンス兄ちゃん、何で裸なの?」
今日ってそんなに暑いかなぁ?
不思議そうに首をかしげる弟たち。
それから何だか……
「兄ちゃんなんだかちょっと……変な感じ。妙に色気づいてるようなさ。」

これだけ弟たちに色々なことを勘ぐられているのにも気づかず
イェンスはまだ幸せな眠りの中。
そう、幸せな……
「キア……ん、やめろよ……ぅん。」
身体をくねらせ枕をぎゅっと握り締める大好きな兄ちゃんの姿に弟は呆然とする。
「キア……って誰?」

そんな兄ちゃんを目の当たりにして弟たちはすっかり目を覚ましてしまっていた。
「知らないよ!でも、夢の中でも名前呼ぶような仲って一体……。」

当初の目的も忘れていつの間にか兄ちゃんをじっと見つめる弟たち。
いつしかその顔は眠そうな顔からにまにまという擬音が似合いそうな顔になっていた。
それでもまだ肝心の”お兄ちゃん”は幸せな夢の中なのでした。

















「ねぇお兄ちゃん?」

翌日、妙にニヤけ顔の弟たちが部屋にやってきて
そう声をかけてきた。
なんだか嫌な予感がしたが、隙を見せた覚えもないので
なんでもないという風に生返事を返すと
あろうことか、更にニヤニヤした顔で”お兄ちゃん”にとって
一番聞かれたくないことを聞いてきたのだ。

「お兄ちゃん、キアってだぁれ?」

その名前にビクっと思わず身体が反応してしまうイェンス。
な、なんで……
「お前たちがその名前を?」
すると弟たちはしれっとして答えた。
「兄ちゃんが寝言で”キア”って名前を繰り返してたから。」
「そうそう、すっごく嬉しそうな顔しながら何度も呼んでたのよ。」

イェンスは思わず凍り付いてしまう。
それって、それって……。





ごまかすしかない!




「そのキアって人とはどういう関係なの〜?ねぇお兄ちゃん!」
「か、彼女……だよ。彼女!そう彼女!」

もちろん弟も妹もあからさまに怪しいといった目つきでイェンスを見る。
「え〜?キアって名前なの?その彼女さん。それって男の名前じゃねー?」

ギクッ

「だ、だよな。そのあー……。」
もっともな弟たちのつっこみにいまいちいい言い訳が思い付かず、
イェンスは困ってしまう。
まさか本当の関係など言うわけになど絶対にいかない。

「でも昨日の兄ちゃん、なんだかニヤニヤしてたし嬉しそうだったし。」
「その名前呼びながら枕握り締めたりなんかして。それになんたって裸だったもの。」
「彼女でもおかしくないかもなぁ。」

その言葉のひとつひとつが突き刺さる。
ニヤニヤして嬉しそう
名前を呼びながら枕握り締める
裸……
もしかして昨日あのあと服着るの忘れたのか……。

段々と顔が青ざめていくイェンスを尻目に
弟や妹たちは納得したのかぞろぞろとイェンスの部屋をあとにしていく。

「俺……俺……。」

もう!キアのバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

























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えーっと結局何が書きたかったのかというと
イェンスたんは可愛いってことですね。
いいわけもろくに思いつかないけど隙だらけでおばかさんだけどそこがいい!
今回はちょっとコミカルに。
貧乏なイェンスたんの家に自分の部屋なんてあるわけねーだろとか
しかも部屋にかぎなんて余計あるわけないだろとか
それ以前に何をしていたんだとかつっこみどころだらけだと思うんですけど
いや、久々で結構感覚を忘れてた。

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