「きゃーっ!レヴィン選手!こっち見てー!」
「あっ!今こっち見たよ。私の方見てくれた…嬉しい!」
「サッカーしてる姿は格好良いけど普段のあの笑顔が可愛いのよね。」
「そうそう!何だか凄く親近感わく感じ。」
「しっかしあのボールさばいきといいなんといいデキる新人だよな。」
「俺もそれは思う。ヴェルダーMGはいい選手隠してたな。」
「だよなぁ!もったいぶりやがって。」
ヴェルダーMGの1軍レギュラーとなってもう結構な時間が経つ。
有名になるにつれてもちろんファンも増えていった。
サッカーでの大活躍に上乗せし
その人を惹きつけるようなはにかんだ笑顔で
男女問わず多くの人を魅了しとりこにしていった。
しかし有名になると比例して
また違ったリスクも背負う覚悟を
持たなければいけなかったんだ…―――。
知られたくないこと……
「きゃーっ!こっち向いて!」
可愛らしい黄色い声で少女がイェンスを呼ぶ。
それは彼女だけではない,さまざまなところから同じような言葉が
イェンスに降っては消えていく。
「あぁ,ありがとう。これからも応援よろしくな!」
身体は疲れてはいるのだがそんなのは微塵も見せず笑顔で答えながら
また少しメンバーと時間をずらし,いつもの場所へ向かう。
しかしイェンスはその場所に辿りつけなかった。
それは……
「な…ん…むぐ…。」
その道を塞ぐように待っていたのはがたいのいい男2人だった。
驚いたその隙を突かれ,その手で口を塞がれてしまう。
「ん…んぅ…!」
そのまま逃がしはしないともう一人の男に腕を掴まれ
後ろに手首をぎゅっと縛り上げられてしまった。
「う…はぁ…はぁ…」
一方でやっと開放された口だったが
まもなく男が持っていた白い布でまた口を塞がれてしまう。
「や…むぐ…んんんー…!」
抗う声も声にならなかった。
2人の男たちの楽しそうな声が頭の上から降ってくる。
一層怖くなった。
いくら運動をしている男といえどがたいのいい男2人がかりでは
どうやっても抗うことなど出来ない。
これからどうしようというのだろうか……
思わずぎゅっと目を瞑ってしまった。
「おうおう,随分と可愛い反応するんだな。」
男の顔は欲情した獣そのものだった。
「大丈夫。心配しなくても優しくしてやるから…へへへ。」
もう一人の男がそんな言葉を口にしたと思うと
その男は予告もなしに急に急所を触った。
不本意にも突然のその行為に声を抑えることも出来ず
「ひっ…ぐっ…ぅ…」
そんな恥ずかしい声を漏らしてしまった。
「お?感じちゃってるのか?クリーンなサッカー選手よー」
語尾をわざとらしく延ばし,男はさらに暴れる足首を押さえつける。
「おいおいお前ばっかり楽しんでるんじゃねぇよ,俺にもヤらせろって」
隣の男は鼻息を荒げながら男に言った。
「ったくうるせぇな。今せっかくのお楽しみだったのによ…」
未練がましく男が退くともう一人がすぐに入ってくる。
「俺は手加減しねぇぜ。」
男はイヤらしくのどをならしイェンスの股に手を伸ばした。
そしてそのままズボンの中…パンツの中へ…。
「ひゃ…ぐ…んん…あぇろ…っ」
軽く触れるどころではない。
のっけからもみしだくように濃く触れてきくる男に
イェンスは懸命に首をふる。
このまま流されてしまったら,
このまま感じてしまったら,
負けてしまう。
キアにあわせる顔がなくなってしまう……
そんなの
そんなの
いいはずない!
「そんな我慢すんなって。…いいんだろ?」
男がイェンスの耳元に唇を寄せそんなことを囁く。
もらった……!!
イェンスは自分の痛みと引き換えに男の頭に思い切り頭突きをかました。
同時にその衝撃で男が掴んでいたイェンスの両足が解放される。
イェンスは走った。
もう一人の男が慌てたようにイェンスの縛られている両手を掴む。
だがいつも激しいサッカーの練習で鍛えているイェンス。
一人ならばお手の物だ。
近づいてくる男の急所にきっつい蹴りをお見舞して
イェンスはまた走った。
もちろん行く場所は決まっている。
待っていて欲しかった。
勝負をかけて,なんとか逃げ切ったといっても
それでもずっと怖かったのだ。
「キア…!」
待ちくたびれたようにイライラした表情のキアがいつもの場所には立っていた。
キアはイェンスの姿を見た途端遅い!とキレそうになったのだが……
「…ど…どうしたんだ急に!?」
イェンスはキアの腕に飛び込むようにしてぎゅっとその腕を掴んだ。
いつものイェンスには絶対に見られない目の前のそんな状況に
キアはらしくなくおどおどしてしまった。
「お…おい!そんなんじゃ俺様がお前に遅れた罰やれねーだろが…。」
未だにキアの腕を掴んで離さないイェンスはまるでキレたような荒々しい声で
「うるさい!聞くな!何も聞くな!」
と何度も繰り返した。
キアもさすがに聞けなくなってしまった。
そこまで知られたくない何か…。
いつも意地を張りながらきちんと少しずつ話し出すイェンスが
今日の話題だけは絶対に口を開こうとしなかった。
きっとよっぽどのことなのだろう……
「わかったよ,仕方ねぇなぁったく。」
歯を食いしばってぎゅっと腕を掴むイェンスの頭をキアはそっと撫でてやる。
今にも泣き出しそうになっているイェンスだが決して涙を浮かべることはなかった。
「何があったか知らねーけど,あんま無理すんなよ。」
キアがもう一度ぽんぽんと頭を撫でてやると
イェンスはもうそれこそ聞こえないくらい小さな声で
「ありがと…。」と。
そしてキアの胸の中に顔をうずめる。
ぎゅっと深く…深く…――。
何があっても元気なこいつをこんなにした何かって何なんだ…
誰がいつもの明るいこいつからこんなにしたんだ…
絶対に聞き出して
そいつは俺の銃で絶対に打つ……。
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何も言わないでくだされ…。
レイプネタなんて書いてしまってすみません…未遂ですけど
でも後悔はしてないっす…むしろやほーいと思ってる自分がいるんです…。
最初はただ単にキアにやきもち焼かせたいと思っただけなんですけど
どこがどう捻じ曲がってこうなったのかまったく覚えておりません(汗)
BGMにはとても可愛い女性の曲を聴いていたんですけど…
ギャップありすぎです…orz