「ん…ん,ぃぁ…ん…んんん…っ」
何度何を言ってもどんな苦痛の表情を浮かべても
キアは何一つとして答えてくれなかった。
手首は白い布でキツク縛り上げられ,
同じように白い布で目隠しをされて,
口もガムテープで塞がれて。
大きな柱に縛り付けられていた。
言葉が言葉にならない,伝えたいことも伝えられずに
ただ暗闇の世界で身体を弄られ喘がされる。
……こんな怖いキアは知らなかった。















構って欲しくて…














どうして会いにきてくれないの・・・


いやに切なく響くティモの声は,ひっそりと静まりかえる部屋中に散った。
心も…そして身体も…
ティモの全部が悲鳴をあげて泣いていた。

そんな折,かかってきた一本の電話が全ての始まりだった……。









「はい,どちらさまですか?」
ティモが元気なんてかけらもないような声で受話器をとると
それは意外なところからだった。

「ティモ,久しぶりだね。」
聞こえてきたのはキアと出会う前に勤めていた娼館のオーナーの声。
「…オーナー。どうかしました?」
どうして今頃僕のところに連絡なんか?
不審に思いながらも用件を聞くとオーナーの声は急に焦りの色を見せた。
「ティモ,悪いんだけど何日かだけでいいから助っ人にきてもらえない?」
突然のオーナーの申し入れにティモはもちろん断ったのだが
どうやらオーナーに諦めるつもりなどほとほとないらしい。
仕方なく2〜3日…という約束でティモは男娼に戻ることを決めた。

夜…誰とも知らないどこかの社長とティモは身体を重ねていた。
しかしキアとの味を知ってしまったティモにとってもう
そんな行為は刹那の悦びでも何でもない,ただの仕事なのだ…
他人との営みに喘ぎながらティモの頭の中はキアだけ。
この行為でさえ,どこかでキアが興味を持ってくれるんじゃないかと
怒ってでもいいから会いに来てくれればいいと
そんなことまで望んでしまっている。

そしてその望みは事実となる…














キアはティモのそんな噂を聞きつけ半信半疑に出会った娼館に足を運んだ。
そして指名した。
改心したティモがここにいるはずのないことを願いながら…。
しかし返ってきたのはすぐにどうぞとの返事だった。
それでもキアは自らの目で確かめるまで決して信じようとはしなかった。
あの夜ティモが誓った約束を信じて……

「どうぞ,次の人。」
身なりを整えるとティモはカーテン越しの客を呼んだ。
赤いカーテンが開かれる,その先で待っていたのは……

「キア…」

久しぶりに見るキアの顔に全てを忘れティモはキアに飛びついた。
しかしキアは抱擁を返そうとはせず,そのままベッドに押し倒した。
何も言わず,ただ強い力で押さえつけるようにティモは脇の柱にくくりつけられてしまう。
着ていた服は剥ぎ取られ,あっという間に身動きが取れなくなり…
やっとわかった。キアは……本気で怒ってる。















「ん…ん…んんんん〜!!」
どんなに何をしてもキアは顔色ひとつ変えてくれなかった。
「ん…んぁ…んん…」
下半身だけが異様に熱くうずく。
感覚器官がほとんどない今の状況は,
耳と触覚だけはいつも以上に敏感にさせる。
かと思えば何の前触れもなく,硬く熱い異物が身体の中に入ってきて…。
聞きなれているはずの水音,そして何より身体の感覚にさえ
眩暈がするほどの快感が襲ってきた。
何も満たされない昔の心は同時に悲痛な嘆きに苦しんでいるというのに…
「ん…んぅ…んん!」
息苦しくて喘ぎにみたない喘ぎも辛くなる。
身体だけの繋がりが切なくて悲しくて涙が溢れてきて
白い布切れをしとどに濡らしていった。

どんなに粗暴で乱暴でも,いつもどこか優しさを見せてくれていたキア。
しかし今日のキアには優しさなど何処にも見当たらなかった。
どんなに何かを伝えようとしても届かなくて
何も見えない暗闇の世界,キアに触れることさえ許されず
もうどうしていいかもわからないティモに,
キアに気持ちを伝える手段を見つけることなど出来るはずもなかった。
「ん…ん…んんんんんんー!!」
身体の中でキアがうごめく,そして身体の中で弾けて…

今…キアはどんな顔しているんだろう…
どんなことを思っているんだろう…
ティモはそんなことをただ漠然と余韻に浸りながらそんなことを考えていた。



するとキアは何を思ったのか口のガムテープを剥がし
涙でびっしょりと濡れた白い布をティモの目からとった。

「…なんでここにいるんだ?」
まだ怒りは抜けていないといった声でキアがティモに聞く。
そんな声とは裏腹にいつの間にか震えだしていたティモの肩をキアはそっと撫でる。
それに安心したようにティモは未だ涙で掠れる声を絞り出した。
「…最近ずっとキアに会えなくて寂しくて…。」
キアは真剣に耳を傾け,ティモの言葉を聞いている。
「その時丁度電話がかかってきたから…。こうしたら,キアが構ってくれるかなって…思って…。」
恥ずかしくなったのか段々と声を潜めてしまったティモに
キアは苦笑をこぼすといつものちょっと優しい笑顔に戻り
可愛い恋人を抱きしめた。
そして・・・

「俺も悪かった…。」
ぶっきらぼうながらもキアは一言ぼそっと呟くように言うと
その抱擁にぎゅっと更に力をこめた。
それからお互いにしばらく何も言わずそのままそうしていたのだが……

ふとあることを思いつきティモはそっと顔をあげ,キアの頬に自らの頬を擦りつけた。
「ねぇキア…今度はもっと…優しく抱いて…。」
甘えたような掠れた声と仕草で男を誘うティモ。
キアも応えるようにそんな甘えた紅い頬にそっとキスを落とす。
「いいぜ…けどもう2度とこんなことはすんなよ。」















「あ…キアぁ…。」
既に裸のティモの綺麗な胸にキアは早速吸い付く。
鼻にかかったようなティモの声が部屋中にこだまする。
「ん…ふぅ…ぁ…」
そんなキアにティモはくすぐったさで首をすくめた。
しかし今日はいつも以上にそう…
「ん…キア…今日は…ぁ…早くして…ぅん…」
感じて仕方ない。性急になってしまっているみたいだ。
「ったく…今日はやけに欲しがりになってんなぁ」
クスクスと微笑を漏らし,わかっているけどと続けると
指で慣らすのもそこそこにキアはぐっとティモを貫いた。

「ひぁぁぁぁ…ん…あぁ…キアぁ…あん…。」
恋人の感じる場所というのももう全部わかっているキアは
急ぐティモに有余を与えることもなく余すことなく突き上げる。
「あ…キア…や…キアぁ…いい…あ…」
先ほどの行為とは同じであって大きく違う。
同じように乱れても喘いでも,今感じるものは……心。
「あ…あん…はぁ…キア…あ…もう…」
心と身体が満たされる快感に先ほどとは全く違う眩暈。
「あ…キア…キアぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ん…う…」
ティモは絶頂を迎え,白濁を飛び散らせた。
煌びやかなシャンデリアが弧を描くそれを妙に綺麗に魅せる。
一方のキアもその一級の締め付けに果てを迎えて…。

「はぁはぁ…はぁ。」
甘い余韻に浸りながらティモはキアの肩に自らの頭をあずけた。










「キア…ごめんなさい。今度こそ絶対…キアだけにする。」
















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4000hitキリリクみずき様へ。
R-18のティモたんエロエロお仕置き…クリアできている…のでしょうか…(滝汗)
何せエロなど書きなれていないもので随分削ってしまったような気が…orz
ごめんなさい…ごめんなさい…ってかごめんなさい。
でも久々に結構長めの小説…頑張ったので許してくださいませ(滝涙)
取り合えずちょっと陵辱…でも最後はラブラブ風に仕上げてみました。
楽しんでいただけたら幸いです。
何はともあれ,キリ番ゲットおめでとうございました♪
もっとエロもうまくかけるように精進します!


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