タイトル『矢部くんの彼女』
あの!矢部くんが自慢の彼女と一緒に前をゆく。
女友達には不思議そうな目で見られるんだけれど
当の本人はそんなこと微塵も気にしてないらしい。
「やーべくん!一緒に帰ろうよ」
「今日は最新モデルのガンダーロボの発売日なんでやんす、プラモショップに……」
「私も一緒に行く!」
そんなわけで今日は憧れの制服デートと相成りました。
「ねぇねぇ最新モデルのガンダーロボってどんなの?」
制服でめぐるプラモショップだなんて、
なんだかドキドキします!
「メタリックボディと通常ボディと2種類同時発売なんでやんす」
「へぇ、よく把握してるんだね」
「当然でやんす、紳士のたしなみでやんすよ」
紳士のたしなみだなんて、矢部くんって大人!
凄いすごいと私が騒ぐと嬉しそうな顔を覗かせる。
「この日のために一生懸命貯金をしてきたでやんす」
おまけに私と違って堅実。
私なんてお金が入るとすぐに使っちゃうのよね、
そのとき有頂天になってるのはいいけど、あとで必ず後悔したり。
矢部くんってやっぱり、素敵!
しかしいざ会場についてみると驚くほどの長蛇の列。
驚いて目をぱちぱちさせる私に矢部くんは
さも当たり前のよう。
「知る人ぞ知る!それもガンダーロボの魅力でやんす!」
「そんなことまで知ってる矢部くんは博識なんだね!」
「今、知ることが出来た
さんはとてもラッキーでやんす」
こんな大勢の人が買いにくるガンダーロボ、
知らなかった私はもしかして、すごく損をしていたんじゃないかな?
「ありがとう矢部くん!」
そんなこんなでやっと店員の前までやってきた。
「今日発売のガンダーロボ2体両方欲しいでやんす!」
満面の笑みでそれを受け取る矢部くんを見ていたら
私も欲しくなってしまった。
「私にも同じものください!」
「え?
ちゃん?」
今度は驚く矢部くんを尻目に満面の笑顔になる私。
「すごーい!これきらっきらに光ってる!綺麗!」
「
ちゃんはわかる女の子でやんすね!」
「いい買い物していい気分、ねぇ教えて、一緒に作ろうね」
その彼女、それをきっかけにロボットに妙に詳しくなっちゃって
矢部くんも驚いているみたいだった。
なぁ、騙されてると思わないか?
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060918 オチが寒い
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