タイトル『マネージャーはいらんかね?』
何人もの女の子がこの野球部のマネージャーを希望して
その度に落とされていくという,あかつき大付属高校。
彼女達の狙いはもちろんあつまる美青年集団。
しかし
そんなこととはつゆ知らずただの好奇心だけでこのマネージャー争いに
参加しようとしている女がここに一名…
「うっわ〜♪そんな楽しそうなことやってるの?」
野球部はマネージャー志望者をガンガン落とす,
隣で野球部見学をしている女の子から聞いたが
彼女はそういう私にやめておきなよと軽い忠告をしてきた。
傷つきたくないでしょうと。
???
わかった!それは野球のことをどれだけわかっているのか
実践も込めて野球をするんだな!
きっとそうだ,そうに違いない。
なんたって部活動には興味ない私でも知ってる名門野球部だもんね。
うっふふ,この私をなめなさんな
これでも女子運動部の助っ人にはよく狩りだされる
自称スポーツ万能少女なのよ。
男なんかに負けないんだから!ってことで…
「それなら大丈夫よ,まぁ見てなさいって!」
わはははは!
仁王立ちで高らかに笑う私を少女は呆気に取られた様子で見送った。
そして迎えたマネージャー志望者を集めた面接会当日。
『はい,並んで並んで〜』
2軍と呼ばれる野球部の少年達が志望者を整列させているのが見えてきた。
と同時に早速落とされている女の子達を見,燃える闘争心。
負けるか!!
「120番,
。2−Aです!」
闘争心と好奇心を剥き出しにして周囲も驚く程の大声を張り上げた。
ふっと唇の端をつりあげて笑うあいつは確かエースピッチャー猪狩兄。
…上等じゃない。
私の運動神経,舐めてもらっちゃこまるわ。
「それで,キミ…
さんだっけ?何でマネージャーになろうと思ったの?」
えっ・・・・・・・・・・・・・
「あれ?野球勝負するんじゃないんですか?」
すっかりそうだと思い込んでいた私は
あまりに思っていたことと違う事態に思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「野球勝負…?」
怪訝な顔をして私の顔を覗き込んできた猪狩兄は
しかしすぐに大声をあげて笑い出した。
・・・何日か前の私のように・・・
「いいじゃない,キミ面白いね。じゃぁ僕とキャッチボールしてもらうよ。」
受けてたつ!
そう思ってグローブをはめた瞬間
「今日じゃなくて明日。明日から野球部にきてもらう。」
すると隣にいる先輩らしき赤い髪のヘアバンドがヒトコト。
「合格っつぅこと。」
すると案の定というか女の子達の悲鳴や罵声が私に降りかかってきた。
「どうしてその子なのよーっ!」
「ひどいっ!」
「いやーっ!」 などなど。
そんなこと私だって知らないよ…
罵声は思った以上に多く酷い。
頭を悩ませていると
ずいっと何かが私の前に立った。
「悔しかったら君達も選ばれてみるんだね。」
猪狩兄…守くんだ。
そういうと少女達は悔しそうにきびすを返してグラウンドを抜けていった。
「あの…ありがと。」
私の中で何かが弾けたような気がした。
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若かりし頃のって力あったかもしれないなぁ…と読み返していて思った。
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