タイトル『当たり前にあなたを想う気持ち』



















「俺、メジャーに行く。」

―――ごめんな、

あれから1年が経った。
あの時はまだ私も若かったなぁと思う。

大好きな人が遠くに行ってしまうんだと思ったら
どうしようもなく辛くて寂しくて悲しくて
涙が出てきた。
大好きだからずっと傍にいたいのに

彼の決意は固くて
私がどんな言葉をかけたとしても
揺るぐことはなかった。

だから、認めることしか出来なくて
飛行機に乗って旅立つ彼を遠く見つめていた。
その時はただずっと泣きじゃくっていたっけ―――。





それからすぐ、私たちの間に子供が出来たのがわかった。
お腹の子供は驚くほど元気で、毎日のように私のお腹を蹴る。
私は泣いていた毎日も忘れて
いつしかそんなお腹の子供に振り回されていた。
電話をしてその報告をすれば嬉しそうにその向こうではしゃぐミズくんがいて。
2人で話す。
名前は何にしようか、その前に男の子か女の子か、いろんなことが渦巻く。
それは不思議にとても幸せな感覚だった。
このこは私たちを繋いでる……そんな気さえする。

そんな毎日が続く中、
子供は生まれて、私の生活も変わっていった。
毎日がめまぐるしく忙しくなって
でもちっとも嫌じゃなくて。

子供もあっという間に大きくなっていく。

でも一つだけ心にひっかかっていることがあった。
それは子供が生まれる前もあとも変わらず
胸の中に渦巻いていた感情。





私、ミズくんに何もしてあげられてない





小学校へかけていく子供を見送り、ぼーっと空を見上げた。
ミズくんは遠い空の下にいてもこうして
私と子供に日本で幸せな暮らしをさせてくれる。
私は彼に何もしてあげられていない。
遠く離れていても彼は私を養ってくれるのに……。










「……ま、ママ!」

身体をゆすぶられてようやく子供の帰宅に気づく。
あ、そういえば夕ご飯用意してない……

「ママ!どうしたの?ぼーっとして。」
「え?ううん、なんでもないのよ。すぐに夕ご飯作るから待っててね。」

そうして立ち上がろうとした私の服を子供がぎゅっとひっぱる。

「ねぇママ、今日は一緒にパパの応援しようね。パパ喜んでくれるよね?」
今日はミズくんが出る試合がテレビ放送される日。
子供はきちんと覚えていたらしい。
「そうね、きっと喜んでくれるよパパ。」
「パパのために応援頑張るんだー!」

パパのために応援頑張るんだー!

パパのために……
そうか、私にも出来ることがあった。
ううん、ずっとし続けていたことだったんだ……!

行かないで欲しいと嘆いてばかりいたあの頃も
何もしてげられない不甲斐ない自分を嘆いていた今も
ずっと大好きなミズくんのためにしてあげていたことがあった。

そんな大切で当たり前のことをこんなに小さな子供に気づかされてしまう。
自然と笑みがこぼれてきた。

「一緒にパパのために応援頑張ろうね!」















それは改めて何かを思うことじゃなくて
当たり前に好きな人のことを考えること。
当たり前にあなたを想う私の気持ち。

一番大切なのはきっとそう、こんな当たり前の気持ち。




























++++++++++++++++++++++++++++++++++++

5/23
パワプロも遂にメジャー編に突入した
そんなわけでその意味合いも込めて?なんとなくメジャーに行く話。
行かないで欲しい気持ちも応援したくなる気持ちも子供のこと話したりする気持ちも
結局は好きな人を想うからであって幸せな気持ちなのかもしれないなぁ…
なんて思ったり。
つかこんなに時間が流れるの初めて書いたかもしれない…


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